WordPress内の問い合わせフォームから送信されたメールがGmailに届かないというご相談をいただくことがあります。中には迷惑メールフォルダに振り分けられていたケースもありますが、迷惑メールフォルダにも届いていない場合は、本記事でご紹介する設定を行わないと今後も届かない可能性が高いです。
また、迷惑メールフォルダに入っていた場合でも、同様の設定を行うことで迷惑メールと判定される確率を下げることができますので、設定しておいて損はありません。
Gmailが届くようにするにはSMTP認証が必要
Gmailが確実に届くようにするためにはSMTP認証というものが必要になります。
SMTP認証(SMTP Authentication)とは、「電子メールを送信する際に、送信者が正当なユーザーであることを認証する仕組み」のことです。スパムメールや不正なメール送信を防ぐために用いられます。
そのためこのSMTP認証を行っていないメールアドレスでメールを送信しようとすると、受信側のメールサーバーからスパムやなりすましと判断されるリスクが高まります。メールが送受信できない理由の多くは
最近のGmailはメール送信元のドメインの正当性(なりすまし対策)を重視しており2024年2月以降にはSMTP認証を含む、いくつかの設定を必須化しています。
今回はひとまず「SMTP認証」についてその手順を解説していきますが、時間を見つけてその他の設定(SPF・DKIM・DMARC)も実施されるのがお勧めです。
ではまずGmail側(Google Cloud)の設定方法からお伝えし、その後WordPress側でWP Mail SMTPというプラグインを設定しますので、その流れについて解説してきます。
Gmail側の設定(Google Cloudの設定)
GmailのSMTP認証を行うためには、Google Cloudというサービスを利用する必要があります。無料枠がどうのと書かれているので、使っているうちに料金が請求されるのでは?と心配になられるかも知れませんが、1日に数千件とかのメールを使わない限りは課金されることはありませんので安心してください。(そもそもクレカなどの登録も必要ありません)
ではここからGoogle Cloudの設定手順について解説をしていきます。
1.Google cloudにアクセスする
こちら↓からGoogle Cloudにアクセスしてください。
2.利用規約にチェックを入れて「同意して続行」をクリックする
ようこそ!の画面になったら、国が正しく表示されているかを確認したのち、利用規約にチェックを入れて「同意して続行」をクリックします。

3.「プロジェクトの作成」をクリックする
画面が切り替わったら右上の「プロジェクトの作成」をクリックします。

4.「作成」ボタンをクリックする
新しいプロジェクトという画面になるので、そのまま「作成」をクリックします。もしプロジェクト名を変更したい場合は変更することもできますが、特にこだわりがなければ変更しなくてよいと思います。

5.プロジェクトが作成が通知されたら左上の三本線をクリックする
プロジェクトが作成されたという通知が表示されたら、画面左上にある三本線をクリックします。

6.「APIとサービス」から「ライブラリ」をクリックする
三本線をクリックすると左側にメニューが表示されるので、その中から「APIとサービス」にカーソルを合わせて「ライブラリ」をクリックします。

7.「Gmail API」を選択する
画面を少し下にスクロールしたところにある「Gmail API」をクリックします。

8.Gmail APIを「有効にする」をクリックする
Gmail APIの画面が開いたら、「有効にする」というボタンをクリックします。

9.右上にある「認証情報の作成」をクリックする
Gmail APIに関する説明画面が表示されたら、右上にある「認証情報の作成」ボタンをクリックします。

10.「ユーザーデータ」にチェックを入れてから「次へ」をクリック
認証情報の種類という画面に移行したら、APIを選択はそのままにして、「ユーザーデータ」にチェックを入れてから「次へ」をクリックします。

11.「アプリ名」を決め、プルダウンからユーザーサポートメールを選ぶ
OAuth同意画面の項目で、アプリのアプリ名を適当に決めて(何でもいいです。例:メール認証アプリ)、ユーザーサポートメールを、プルダウンから選択します。選択できたらそのまま下にスクロールします。

12.「デベロッパーの連絡先情報」にメールアドレスを入力する
「デベロッパーの連絡先情報」というところにメールアドレスを入力します。先ほど選択したユーザーサポートメールと同じもので問題ありません。メールアドレスの入力が完了したら「保存して次へ」をクリックします。

13.「スコープ」のところは何もせず保存して次へをクリックする
「スコープ」という項目が表示されますが、ここは何も設定しなくていいので、そのまま下にスクロールして「保存して次へ」をクリックします。

14.アプリケーションの種類を「ウェブアプリケーション」にする
「OAuth クライアント ID」という項目が表示されたら、「アプリケーションの種類」のプルダウンメニューから「ウェブアプリケーション」を選択してください。名前はそのままで問題ありません。

15.「承認済みのリダイレクト URI」の「+URIを追加」をクリック
「承認済みのリダイレクト URI」の「+URIを追加」をクリックします。

16.URL1に以下を入力
表示された「URI1」の枠内に以下をコピーして貼り付けます。
https://connect.wpmailsmtp.com/google/
貼り付けができたら「作成」をクリックします。

17.「認証情報」が表示されたら「完了」をクリック
以下のような「認証情報」が表示されたらそのまま「完了」をクリックしてください。

18.左側のメニューから「OAuth同意画面」をクリック
左側のメニューにある「OAuth同意画面」をクリックします。

19.左側のメニューから「対象」をクリック
開いた画面の左側メニューにある「対象」をクリックします。

20.「アプリを公開」をクリック
公開ステータスが表示されたら「アプリを公開」をクリックします。

21.「確認」をクリック
「本番環境に push しますか?」という画面が表示されたら「確認」をクリックします。

22.左上の三本線をクリックしてメニューを開く
公開ステータスが本番環境になっているのが確認できたら、左上の三本線をクリックしてメニューを表示します。

23.「APIとサービス」を選択して「認証情報」をクリック
画面左側に表示されたメニューの中から「APIとサービス」を選択して、「認証情報」をクリックします。

24.「ウェブ クライアント1」をクリック
OAuth 2.0 クライアント IDの中に表示されている「ウェブ クライアント1」(=先ほど作成したアプリ)をクリックします。

25.「クライアントID」「クライアントシークレット」が表示されたらOK
「クライアントID」と「クライアントシークレット」が表示されたら、後から利用するのでこの画面を開いたままにしておきます。もしくはそれぞれをテキストファイルなどにメモしておいてもOKです。

WP Mail SMTPの設定(WordPress側の設定)
WordPress側で行う対応としては、WP Mail SMTPというプラグインを導入して、その設定を行っていきます。

WP Mail SMTPはWordPressからのメール送受信ができないという場合によく用いられるプラグインです。有料の機能もあるのですが、メールが届くようにするだけであれば無料版の機能だけで十分ですので、今回はその設定方法について解説をしていきます。
1.「WP Mail SMTP」をインストールし、有効化する
WordPressにWP Mail SMTPをインストールします。プラグインの検索バーに「WP Mail SMTP」と入力すれば表示されるはずです。インストールできたら、そのまま「有効化」してください。

2.「ダッシュボードに戻る」をクリック
セットアップウィザードへようこそ画面になったら「ダッシュボードに戻る」をクリックします。(※「始めましょう」はクリックしない)

3.「送信元メールアドレス」「送信者名」を入力
WP Mail SMTPの設定画面になったら、下に少しスクロールして「送信元メールアドレス」および「送信者名」を入力します。(※当記事がお伝えしているのは送信元メールアドレスがGmailになっているケースの対応方法です。)

4.「Google/Gmail」を選択する
続けて「メーラー」の選択で「Google/Gmail」を選択します。

5.「クライアントID」「クライアントシークレット」を入力し「設定を保存」をクリック
続けて、「クライアントID」と「クライアントシークレット」の2か所に、先ほど取得した値をコピペしてから「設定を保存」をクリックします。

6.「あなたのGoogleアカウントを…許可する」をクリックする
手順5で「設定を保存」をクリックするとWP Mail SMTPの設定画面トップになるので、再度「クライアントID」と「クライアントシークレット」の入力箇所までスクロールします。そうすると「あなたのGoogleアカウントを使用したメール送信をプラグインに許可する」というボタンが表示されているはずなので、それをクリックします。

7.「詳細」をクリック
「あなたのGoogleアカウントを…」のボタンをクリックすると、以下のような警告画面になるので「詳細」をクリックします。

8.「wpmailsmtp.com(安全ではないページ)に移動」をクリック
詳細をクリックすると「wpmailsmtp.com(安全ではないページ)に移動」のリンクが表示されるのでそれをクリックします。

9.「続行」をクリック
Gmailの確認画面になるので「続行」をクリックします。

10.「正常にリンクしました」の表示が出たら設定完了
「現在のサイトを Google API プロジェクトに正常にリンクしました。これで、Gmail を通じてメールの送信を開始できるようになりました。」という表示が出たら設定完了です。

テストメールの送信
上の手順で設定は完了ですので、テストメールを送信して、正しくメールが届くかどうかの確認を行っておくとよいと思います。
テストメールのは、左側メニューの「WP Maik SMTP」→「ツール」から送信できます。

「ツール」をクリックすると「送信先」のメールを入力できる画面になりますので、ここを入力して「メールを送信」をクリックしてください。

送信が成功すると以下のような画面になります。

この画面になっていたら、送信先のメールボックスを確認してください。以下のような内容のメールが送信元のドメインから届いていたら正しく送信されていることがわかります。

GmailにWordPressからのメールが届かない場合の対処法まとめ
GmailにWordPressからのメールが届かない場合は、WP Mail SMTPというプラグインを用いた設定を行うことで解決することがほとんどです。その設定を行う準備としてGoogle Cloudというサービスを利用する必要があります。
弊社でホームページ制作を行ったお客様からご相談いただくこともあったので、今回このような記事にしてみました。もし同じようなお悩みをお持ちの方がいらっしゃったら参考にしてください。